寒い冬、初めて花市場へ行った。
たくさんのお花を抱えて、足早に通りすぎていく人々。
早朝の静けさと、人々の忙しさ、自身の緊張感。
わたしは、ブーケ作成のために花を選ぶ。
花々に見惚れて佇んでいては、通りゆく人々の妨げになる。
周りのペースに合わせて、足早に移動する。
時間をかけて、やっと花を選ぶ。
レジに並ぶ。
前列の方は、メンバースカードを見せて購入している。
わたしには、メンバーズカードが未だない。
鼓動を感じながら、順番を待っていた。
ーーーーー
春になり、花市場通いは2桁の回数になった。
朝の寒さと自身の緊張感は、和らいできた。
人々の忙しさにも慣れた。
店舗のメンバーズカードは、数枚に増えている。
花々に見惚れて佇んでしまうのは変わらないけれど、陳列は把握できるようなった。
「初めて」「わからない」ことは、いつだって不安だ。
これからも、経験を積み重ねていく。